つれづれ日記
          
ーその1ー

春眠暁を覚えたくないもんね。
眠いです。
しばらくの間、プー太郎の身の上ですから、目覚ましは必要ありません。
立春から、どんどん夜明けが早くなってきています。
まばゆい朝日を浴びながら、コンコンと眠り続けています。
新装オーブンまで1ヶ月。
もう少しだけ、朝寝坊を堪能しようと思います。

ハーブガーデンからすべての荷物を運び出したのは、2月14日でした。
営業活動は、1月いっぱいで終了しましたが、『去りがたい』何とも言えぬ情がありました。
2月16日が、三春ファームハーブガーデン最後の日です。
その日がやって来るまで、何だか、ズルズルと毎日通っていました。
私が営業場所に使っていたガラスハウスは、お日さまの恩恵を一身に浴びると、外が氷点下であっても、ぽかぽか暖かです。
木枯らしの季節、ガーデンを訪れる人はまばらです。

私は、 自分のためにコーヒーをいれガラスハウスを独占めしていました。
静かです。
鳥のさえずりが、心地よく響き渡ります。
4月4日。
三春ファームハーブガーデンは、生まれ変わります。
これまでとは全く違った、アミューズメントパークになるでしょう。
たった半年間でしたが、ここでの思い出は何物にも代えがたい素晴らしい 財産です。
今、私が見ている風景は心のにしっかりと記憶させなければなりません。
私は、毎日慈しむように、ガーデンを見続けました。
そして、最後の日。
一瞬のオレンジ色の世界。
空には、十三夜の月。
月明かりの下、ゆっくりとガーデンを散歩しました。
この先このガーデンが、どんなふうに変わってしまっても、私の記憶から消えることは無いでしょう。
素晴らしかった半年間に感謝しながら、ハーブガーデンを後にしました。
                            
                            2003. 2.20.




ーその2ー

ぽかぽかと暖かくなったと思ったのに、また一面の銀世界。
横殴りの雪を見あげる足元には、クロッカスの芽がこんにちは!!
春は、一歩下がって、二歩進む?

毎日が日曜日になったはずなのに、何故か毎日忙しい。
家にじっとしている日がありません。
机の脇に積み重ねられた、書類の山を横目で見ながら、
‘明日出来ることは、今日やらない’・・・・!!
そんな悠長なことを言ってる場合ではありません。
確定申告の提出期日は刻々と迫っているのです。
3月に入り、ようやく重い腰を上げました。
1年分の伝票整理に丸2日、計算機を片手に、たし算するのにまた一日。
ようやく本日、書類をすべて書き終えました。
後は提出するだけです。
感想
今年も、恐ろしい程のじり貧経営です。
何故これで生活できているのか、自分でも不思議です。
そう言えば、自分のために何かを買うことなんて、ここ数年無いよなぁ。
だけど、ちっとも貧しいとは思わない。
購買欲求もまるで無い。
自分が大事にしていることを仕事にするって、それだけで満足なんだよな。

現代社会では、自分の仕事に無力感を感じている人たちが多いらしい。
社会が求める仕事に、働く喜びを見出せない。
自分がやっている仕事に、手応えを感じることが出来ない。
生活のために働くことを、余儀なくされている。
そんな人たちが、大多数を占めている。
自分の仕事に、誇りを持てないことは、とても不幸なことだと思う。
しかし、自分だけではどうにも出来ない、社会のからくりもある。
取り残されないために、みんな必死なんだと思う。
どんなにじり貧でも、自分の仕事に、
喜びも、手応えも、誇りも持てる私は、とても、とてもシアワセです。

新しい「碧い月」のオープンまで、あと1ヶ月。
ケーキを焼けない期間もあと僅か。
オープニングの準備計画を練り始めています。

                            2003. 3. 6.

ーその3ー

やさしい春の雪。
そう思ったのも束の間。
何で今ごろ、まっしろ銀世界なの!?
朝窓を開けて奇声を上げてしまいました。
大粒のぼたん雪は、玄関先まですっかり白く覆いました。

飲食店としての営業許可を申請するため、
須賀川にある県中保健所へ行きました。
会津保健所、郡山保健所、そして今回の県中保健所。
保健所だけでも、県内3ヶ所も出向いています。
申請も3回目になれば慣れたものです。
ところが、いや〜なウワサを聞きました。
県中保健所は、審査が厳しいと言われているのです。
1階廊下で許可申請の場所を聞いた方は、とても感じよく親切でした。
しかし、指示された場所へ入ってびっくり。
まず、何しに来たんだ!!という冷ややかな視線。
次に、ぶっきらぼうな対応。
こちらから質問しなければ、何も言わない。教えない。
郡山保健所とあまりにも対応が違うし、検査の順序も違う。
これじゃ、初めて商売をする人は、何が何だか分からないよ。
私は、3度目だから、担当者が言っていることを理解できるけど、初めて聞く人は、きっと、チンプンカンプン!!
郡山保健所とあまりにも違うので、その点を指摘すると、
「郡山の担当者が、おかしいんでしょう!!うちは、県ですから!!」
だって ・・・・。
つまり、厳しいのではなく、マニュアル通りの融通の全く効かない対応なのです。
しかし、「県ですから」とは何事じゃ。 同じ保健所じゃ無いと言うのか!
かなり怒りが込み上げましたが、役人を敵に回しても善いことないので、にこやかに「お世話になりました」と言って帰ってきました。
「この人たちに給料を払っているのは、税金という公共のカネなんだ」と思うと、情けなさと、腹立だしさ、ばかばかしさと、渾然一体になりました。
お役所仕事という例えがありますが、まさしくそれなんですね。
しかし、同じ申請をするのにもこんなにも対応が違うというのは、どういうことなのでしょう。
ここは一つ、県に投書でもしてみようかな。

                            2003. 3. 9.



ーその4ー

小雪が舞い散る桜並木の下を、
花束を抱えた制服姿の生徒たちが歩いていました。
春、 卒業の季節です。

2月の暖かさは、先取りの春ではなかったのかしら。
一向に、暖か くなりません。
それでも、玄関先に置いたレモンバームの鉢植えを見ると、
小さな小さな新芽が覗いていました。

巷では、花粉症が最盛期。
様々な民間療法が報じられていますが、
最新情報だと、どうやらドライのレモンバームティがいいらしい。
しかし、ハーブガーデンは元より、日本全国品不足!!
レモンバームの最盛期は、6月〜9月。
とてもアクが強いため、切り口は直ぐに黒くなります。
ですから、ドライハーブにするのも手間がかかるのです。
この季節、昨年の在庫は底をついています。
つまり、出回っている多くの品は、輸入品です。
急激な需要に、市場は追いついてゆけないのです。
私がハーブガーデンで仕事をしている間、
様々なハーブブームが巻き起こりました。
TV番組で取り上げられると、一斉に一つ商品に群がる消費者。
ローズヒップティ、カモミールの化粧水、
バスハーブ各種、ローズマリーティ、レモンバームティ。
エキナセア。
イランイランの香りもいいらしい。
極付けは、ワイルドストロベリーの恋愛結婚成就話。
花が咲いたら恋が叶い、実を付けたら結婚できる。

でもね、実は絶対食べちゃダメなんだって。
実を食べると、一生独身だよ!!

この凄い効能の真意は定かではありません。
流行とは恐ろしい現象です。
誰もが、メデイアの情報に踊らされています。
もちろん、間違った情報が流れているわけでは、決してありません。
誰もが、美容と健康には敏感なんだなと思います。
でもね、大事なのは、 ハーブティを飲むことや、手作り化粧水をつけることじゃないんだよなぁ。
みんな、どうしてもっと簡単なことに気がつかないんだろう。
お金も、時間もかからない、素晴らしい魔法があるのにな!!

新世界へ飛び立つ子供たちよ、
どうか、世間の歪んだ常識に惑わされないで成長してくれ。
そんなことを思いました。
                           2003. 3. 15.



ーその5ー

ハーックション
夢と目覚めの境界線 「モーニングアタック!!」
朝一発目のくしゃみをそう呼ぶそうです。
今年は、 花粉症が成りを潜めていると思っていたら、
4〜5日前から、モーニングアタックを繰り返しています。

『CaSa de SaCa 〜かさでさか〜』
会員制のスペイン料理と農業体験施設、
ロバ、ヒツジ、ヤギ、鶏、犬、猫・・etc.
旧い農家の納屋を改装した住いとレンガ敷きのガーデン
何処から見ても、ここはスペインの田舎。
先日、約1年ぶりに川俣のかさでさかを訪ねました。
知人が、結婚のため渡米するので、その送別会の会場だったのです。
名目はどうであれ、 “ 美味しいもの食べて、愉快に騒ごう!!” が大前提でした。
昼12時が集合時間です。
2度目の私は、ちょいと道を間違えて、山里をウロウロ。 それでも何とかジャスト12:00に到着しました。
駐車場で合流した友人と共に、お家の中へ入ると。
う〜んいい香り!! ダイナミックな大きなテーブルの上には、 これまたダイナミックな料理が ずらり並んでいます。
チキンのクリームソース煮、スモークサーモンのサラダ 、小エビの唐揚げ きのこのブラウンソース、
その他盛り沢山 そしてスペイン料理といえば、 パエリアです。
これが、もう絶品!!
デカイカニが丸々2匹乗ったパスタは、思わず全員が叫ぶ美味しさです。
一通り、お腹が満たされると、今度は愉快な音楽会の始まりです。
ギターとベース、そしてみんなの手拍子。
やっぱりここは、スペインかも!?
晴れて気持ちがいい日だったので、 演奏会は外の広場でも繰り広げられました。
そして宴は、延々7時間続いたのです。
しかも、参加者みんな同じテンションのまま、 食べて、歌って、喋り尽くしました。
胃袋と全体力を使い果たした私は、 重なる瞼と戦いつつ、やっとの思いで家路につきました。
迫る引っ越しの荷物整理も今だ終わらず・・・。
今日もまた、お誘いを受けて、 川内村にある『獏原人村』へ向かいます。
                          2003. 3. 22.

ーその6ー

うわ〜!4月になっちゃったよ!!
「碧い月」再開まで、あと2週間に迫ります。
本日、やっとこさ引っ越しが完了しました。
昨夜の雨で、花粉も激減した模様。
私の鼻は、何とか正常モードに戻りました。

ラジオを聞いてくれた方、どうもありがとうございました。
激励のメールも多数いただき、
感謝とともにファイトがパワーアップしています。
問題は、目の前に山済みになっている段ボールの砦。
家の前で、私の振る鍬を待っている、畑とじゃがいもくんです。
「今年こそは、畑を真面目にやるぞ」
と勢いついて借りた畑は、私にはちょっと広すぎるかも!!
一つ一つ、着実に片づけていかなければなりませんが、
どれも、これも気になって、なかなかスムーズに進みません。
仕事を休んでいた2ヶ月間。
すっかり体が鈍ってしまいました。
筋肉痛と闘いながら、明日も気合いで段ボール軍と戦います。
                      
2003. 4. 1.



ーその7ー

とうとう、明日がオープンです。

4年目、4度目の店舗。
今度こそは、腰を落ち着けてやって行こうと思っています。
三春ファームハーブガーデンの営業を終えて、2ヶ月半。
充分な時間はあったはずですが、
呑気屋の私は、ぎりぎりまでバタつきそうです。
でも、今度ばかりは焦りません。
じっくり、のんびりやってゆくことにしたのです。
庭造りや、家の周りの整備も、楽しみながらぼちぼちやります。
見かねた友人が、手伝ってくれたりもしますが、
そんなお手伝いは、大歓迎です。
テラスのペンキ塗も中途半端ですが、全く気にしません。
始めから完ぺきなものなど必要ではありません。
走りすぎた去年とは対照的に、スローに歩いてゆきます。
日曜大工、ガーデニングが趣味の方、いつでも、いつでもウェルカム!!
今日の仕事は、看板を整備して、貯りに貯った段ボールをやっつけます。
明日のケーキを仕込んだら、前夜祭でもしようかな。


                          2003. 4.15.


ーその8ー

澄み渡る真っ青な空。
春の陽射しを一身に浴びて、
「碧い月」は、4度目のオープンをしました。
朝一番のお客さまは、西田町で営業していた時からの常連さんです。
あの頃、ママのオッパイからケーキの味を堪能していたチビちゃんは、
小さい歯が上下に2本づつ生えてきて、
お口いっぱいにして、ケーキを味わえるようになりました。
次々とお客さまがやってきました。
慌ただしいオープンだったため、案内状も間に合いませんでした。
しかし、
ラジオを聞いてくれていた方、
HPをチェックしていた方、
ウワサを聞きつけて来てくれた方、
多くのお客さまが訪ねてきて下さいました。
ケーキも2時には完売です。
オープン当日は、閉店時間までとても賑やかになりました。
2ヶ月ぶりに仕事をする喜びで、私もかなり浮かれ気味!!
久しぶりに発する、
「いらっしゃいませ」という言葉。
私は、しみじみとシアワセを感じました。

4度も店舗が変わってのオープンなのに、
毎回つきあって下さるお客さま、 本当にありがとうございます。
今度こそ、腰を落ち着けて、地道に頑張ります。
どうぞよろしくお願いします。

さぁ、黄金週間は蚤の市です。
どうぞ遊びに来てください!!
                     
 2003. 4.24.



ーその9ー

黄金週間終了。
やっと一息つきました。

毎度のことながら、不案内でごめんなさい。
控えめに立てた、小さな小さな案内板は、
勢いついてる雑草にまみれて、無いのと一緒でした。
迷いながらも、何とか、たどり着いてくれた多くのお客さまに感謝です。
今度こそ、腰を落ち着けて頑張るつもりですので、
長い目で見て下さい。
少しづつ、少しづつ改善してゆきます。
広告宣伝費をほとんど使わない「碧い月」は、
看板も案内状もHPも、すべて自前です。
暇を見つけては、チマチマ創るのでなかなかはかどりません。
お金を出して、業者さんに頼んでしまえば、解決します。
しかし、ビンボー極貧生活者の私には、不可能な話。
何より、その宣伝費を使うなら、
ケーキを一品増やして還元したいのです。
どうか、ご理解下さいませ。

ここで一つ。
商品の値段というものは、一つの製品になるまでにかかる行程、
その
総てに、お金がからんで成り立っています。
「碧い月」のケーキも、
材料費・材料を買うための運搬費・ 保管費(冷蔵なら電気代)・包装費
光熱費・道具の原価償却費等が含まれています。
製作に関わる人件費・研究費は今のところほとんど含まれていません。
これに、広告宣伝費が加わると、
今のケーキプレートは、存在しないでしょう。
私は、決して道楽や趣味で「碧い月」を営んでいるわけではありません。
れっきとした生活の糧として、私が望んで始めた仕事です。
しかし、現状はほとんど利益を生めない状態です。
それでも続けていられる訳は・・・・。
お客さまの笑顔です。
私が創ったケーキを口に運んだときの、
何とも言えない嬉しそうな笑顔なんです。
その笑顔を見るために、
今日も、せっせとケーキを焼いているのです。
利益より、充実感!!
私は、とてもシアワセものです。

                           2003. 5. 9.




ーその10

「芋のサクリ切ったのかぁ」
近所の、おじちゃんおばちゃん達から、会うたびに言われる言葉です。

オープン前に植えたじゃがいもが、
何とか芽を出し、葉を繁らせ始めました。
“サクリを切る”とは、土寄せをするということです。
じゃがいもは、地中に延びた茎が肥大したものです。
植え付けが浅いと、芋が貧弱になります。
理屈は分かっていますが、引っ越しから、芋の植え付けと、
なれない肉体労働が続き、私の腰は砕けきっていました。
整体へも行きましたが、根本的筋肉の貧弱さが改善されるはずもなく、
自分で何とか力をつけないことには、どうにもなりません。
そんなとき、友人から『痛くしない腰痛体操』を習いました。
曲げて痛くないほうに、息を吸いながら曲げる。
次に、息を吐いて一気に戻す。
たったこれだけの体操ですが、私の腰は、めきめき良くなりました。

5月22日(木)
長靴に大きな麦わら帽子。
格好だけは、一人前の農婦です。
私のじゃがいも畑は、めでたく土寄せを終了させました。
今週は、小豆を蒔いて、ひまわり畑の準備をします。
そして、いよいよガーデン創りに着手します。

今年の目標は、焦らず無理せず、着実に!!
日に日に変化してゆく『碧い月』をどうぞお楽しみに。

                           2003. 5.26.


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