法則化シリーズ/保健体育/性教育
福島法則化アンバランス TOSS会津 薄井 健文
これは浅永剛司氏の実践「まじめな性教育(2)〜男子編、新牧先生の実践追試〜」の紹介である。
出典 : 第5期教育技術の法則化45 続々プロ教師の基礎技術ー小学6年
女子の性教育の後で行った。もちろん、女子も入れてである。女子の場合も男子を入れて行ったが、異性の体を知るという点で実に効果があった。特に、男子が女子に対して思いやりの心を持ったのには驚かされた。そこで、男子の性教育が必要だと思っていたとき、新牧先生の実践(『教室ツーウェイ』1986年11月号)を目標にし追試することにした。発問や説明を自分なりに工夫してみた。
○「精子」と板書する。黙って書く。
| 指示1 知っている人は手を挙げなさい。 |
パラパラと手が挙がった。7人である。(クラスは38人)
| 発問1 「精子」は「せいし」と言います。精子とはどんなものですか。 |
ところが、これにはだれも答えなかった。手を挙げた7人も、「名前を知っているだけでどんなものかわかりません。」と言う。そこで、これ以上聞いても無駄なので説明に入った。
| 説明1 精子とは赤ちゃんをつくるものです。女子の体の中には、卵があったね。それを卵子といいます。精子と卵子が1つになって初めて赤ちゃんができます。男の子の体が大人になると、この精子を作るようになります。作り始める年齢は人によって違いますが、早い人で9歳、遅い人では20歳という人もいます。 |
突然、質問が出た。
「早い人も遅い人もいるって言うけど、平均はどれくらいですか。」
資料がなくて、私には答えられなかった。授業を参観していた保健の先生が、6年生でだいたい5%(つまり、私のクラスでは1人)ぐらいはなってると答えてくれた。
| 発問2 精子ってどんな形をしているでしょう。 |
「おたまじゃくし」「星」「ハート型」「糸ミミズ」
○ OHPで精子の形を投影する。(『教室ツーウェイ』11月号より)。
子どもたちから驚きの声があがった。まさか 生き物とは思っていなかったからである。 |
| 発問3 今から男の人の体の図を見せます。精子はどこで 作られるのでしょうか。図の中の部分を指しなさい。 |
恥ずかしがって出にくいようである。こちらから指名していった。
子どもたちは迷いながらも指していった。8名を指名したが、答えの内訳は次の通りである。
精巣・・・4名 精のう・・・1人 ぼうこう・・・2人 前立腺・・・1人 であった。
| 指示2 予想もつかない人、立ちなさい。ヒントをあげます。わかったらすわりなさい。 |
| ヒント 精子は、温度が高いと元気がなくなります。温度が高いところではありません。 |
このヒントで、最初12人立っていたのが8人に減った。しかし、どうもわからないらしい。
8人全員女子である。イメージがわかないのも無理はない。
○ 各部分の名前と働きを知らせる。
| 説明3 精巣は、こう丸ともいって左右に一つずつあります。ここで精子を作っています。ぼうこうは、尿をためておく場所です。精のうと前立腺は、精子に液をまぜます。それぞれの液は別のものです。ペニスは、尿と精子の通り道です。精子に前立腺から出る液が混ざると精液というものになります。精巣では精子が毎日休みなく作られていきます。 |
子どもたちは驚く。普段、「急所」なんてふざけていたこうがんに大切な働きがあったということを。そして、休みなく作られていることに大きな驚きを示す。寄って、次の発問には自然に移っていける。
| 発問4 毎日休みなく精子が作られていくとどうなるだろう。 |
「おねしょ」「たまる」「栄養になる」(吸収される)「蒸発する」
おもしろい考えが出るものである。
○ 射精とぼっきについて知らせる。
| 説明4 精子は精巣と精のうにしまわれます。いっぱいになると前立腺で精液となり、体の外へ出されます。これを射精といいます。精液は、白くてねばねばしています。1回に大さじ1ぱいぐらいでこの中に精子が2〜3億個も入っています。 |
実際は、連続に説明せず、間にクイズのようにして簡単な質問を入れる。
例えば、「1回にどれくらい出ると思う。」「どれくらい精子が入っていると思う。」等である。補助発問といえるかもしれない。子どもたちの予想がおもしろい。大さじ一杯に精子が一個入っていると考える子が多いのである。女子の性教育を思い出しているのか。だから、2〜3億というと、大きな驚きを示す。
| 説明5 ペニスが大きくなることがあります。これは、射精する準備のためなのです。これをぼっきといいます。どんな時になるのか。@ペニスに触ったとき。Aいやらしいことを見たり、聞いたりしたとき。B夜寝ているときなります。特に寝ているときになることを夢精といいます。病気ではありませんから、すぐに下着を取り替えましょう。 |
最初笑っていた男子達の表情が真剣になった。夢精という現象を知ったからである。下着をよごすようなことがあるのか、という思いと、もし母親に知られたらどうしようと不安になったからである。
「先生、もしなってしまったらどうするの」不安げである。私は言った。
| 心配しなくてもいいんだよ。すぐに新しい下着に替えなさい。そして、汚れた下着は自分で洗うか正直にお母さんに言いなさい。お母さんはちゃんとわかってくれていますから、洗ってくれますよ。 |
今度は女子からの質問だった。
「精子の付いた下着を私たちの下着といっしょに洗って大丈夫なんですか。」女子の場合、自分の下着に精子が移ってしまうことを心配しているらしい。
| 大丈夫ですよ。水がちゃんと洗ってくれるし、洗剤も洗い流してくれるよ。それにそんなに精子は強くないし、もし残ったとしても死んでしまっていますよ。 |
にっこり笑った。こんなことくらいと思ってしまうが、新しい知識を得たばかりで子どもたちは不安なのである。やさしく説明してあげることが必要である。
○ 女子へのお願いをする。
| 男子は、自分でさわったり、考えたりしない時でもペニスが立って大きくなることがあるんです。これは自然なことなので、女子はからかったりしないで分かってあげてください。 |
| 指示3 先生に聞きたいことがあったら書きなさい。その後に感想を書きなさい。 |
B5版大のわら半紙を一人に1枚ずつ配る。質問、感想は必ず書かせる。個別指導が必要な場合があるからである(恥ずかしくてみんなの前では聞けない時など)。
感想を示す。
| 男子にも生理があって精子が作られることが分かった。ぼっきするときは自然になることもあるので、もしぼっきしてもからかったりしないでおこうと思う。精子は白くネバネバして2〜3億もいるなんてびっくりした。精子と卵子が1つになって赤ちゃんが産まれることが分かった。(女子) |
| 精子などということはいいことを聞いたと思った。おたがいいたわりあえたらなあと思った。(男子) |
最初は、各部分の名前が入っていない。後で名前を書いてあるTPシートをかぶせるのである。(『教室ツーウェイ』11月号より)
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