遊びの時間は終らない

 

1991年

監督 萩庭貞明

出演 本木雅弘 石橋蓮司 萩原流行

派出所勤務の平田巡査(本木)が銀行強盗を決行した。
外ではこれまた同じく相棒の中野巡査(今井雅之)が車をとめて待機していた。
しかし突然現れたパトカーの為、中野は逮捕される。
周囲をマスコミ取材人が取り囲み始めフラッシュが焚かれ、白昼の銀行強盗は終了と思われるた。
実は、これら一連の出来事は、地元警察・銀行・商店会が協力して行った防災訓練だったのだ。
ところが、銀行の内部では予期せぬ事が起こっていた。
犯人役だった平田巡査が犯人に成りきっていて、客に化けていた深川警部補(西川忠志)を射殺し(したつもり)、銀行員や客達を人質として拘束していた(拘束されたつもり)のだ。
警察側がこの予期せぬ事態に戸惑っているうちに、平田は凶悪強盗犯としての行動を進めていく。
そして、マスコミや見物人、平田の両親までがこの事態をゲームとして悪ノリし始めていた。
訓練はもはや社会的事件の様相を呈して、さらにエスカレートしていく。

ハチャメチャに面白い。
クソ真面目な巡査を本木雅弘が味わい深く演じています。
服装も、おもちゃのライフルも、腕に書いた刺青も、すべて彼の徹底振りをあらわしています。
とにかく、何もかも手加減しないオタッキーな青年なのです。
Go To Hell ! と書き込んで、「僕、犯人ですから・・・」とやたら本気です。
「あのバカ、適当なへまをやって捕まればいいのに、気がきかないやつだ」と、お調子者の鳥飼警察署長(石橋)につぶやかせます。
「バン!」と言ってライフルを撃ったりして、銀行強盗ごっこをやっているのですが、なにせ訓練ですから、みんな真面目にやっているのがやけに可笑しいのです。
地元のローカル局に拾われた敏腕プロデューサの柏崎(萩原)の、その手抜きを知らない徹底振りが平田巡査に通じるものがあって、可笑しさを盛り上げます。
客を装っていた婦人警官が、抱えていた赤ん坊(のつもりの人形)を投げつけ、ひるんだ平田を逮捕したときにも、「チョット待った!自分の赤ん坊を投げつける母親がいるでしょうか!これは無効で、やりなおしです!」と、マイクを持ってあおるのです。
その真面目ぶりが、とてつもなく愉快で、包括絶倒です・・・。
銀行の窓口嬢(桑名ゆり子)などは、テレビの撮影班に撮られたりしているうちに、次第に状況を楽しみ始め、平田巡査を勇気づけて、ついには一緒にヘリコプターで逃亡します。
こうして、彼ら大人たちの遊びの時間は終ることなく、まだまだ続くのでした・・・。

これを見て本木雅弘君の役者としての可能性を確信しました。
「シコふんじゃった」や「ファンシィダンス」と日本を代表する男優だと思います。