Dreigroschenoper

(原作ジョン・ゲイ「乞食オペラ」/翻案ブレヒト/作曲ワイル)

初演

1928年8月31日 テアター・アム・シフバウアダム

登場人物

マックヒース(あだ名はメックマッサーで盗賊の頭、T)/ピーチャム(乞食商会の主人、B)/シーリア(その妻、MS)/ポリー(その娘、S)/ブラウン(ロンドン警視庁の上席警視、Br)/ルーシー(その娘、S)/ジェニー(酒場女)/他 警官、乞食、娼婦 たち

あらすじ

1幕

乞食を更に哀れっぽく扮装させて恵んでもらったお金をピンハネする乞食商会を経営しているピーチャムの一人娘ポリーは、馬小屋で盗賊の頭マックヒースと結婚式を挙げている。警視ブラウンがやってくる。盗賊の手下たちは慌てるが、元々マックヒースとは旧友で、ブラウンは黙認してくれている。

 結婚式から戻ってきたポリーは両親に結婚を報告する。両親は娘と犯罪者を結婚させてはいけないと思い、何とか取り戻そうと考える。

2幕

身の危険を感じたマックヒースはポリーに別れを告げて、前の情婦のジェニーのところに身を隠すが彼女の裏切りで捕まってしまう。

刑務所の独房にいるマックヒースのところに面会にやってきたポリーと前の恋人でブラウンの娘のルーシーが鉢合わせしてしまう。ポリーが口論に負けて泣いて母親に連れ去られると、マックヒースは逃亡に成功する。ブラウンは逃亡が成功したことを知ってほっとする。

3幕

再びジェニーの裏切りによって逮捕されたマックヒースに死刑が宣告されている。ルーシーとポリーにもその知らせが来る。

処刑されようという時、女王の戴冠式で突然マックヒースに恩赦が降り、それだけでなく世襲貴族に列するという知らせが来る。「芝居でしか起こりえない」ハッピーエンドになる。

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題名に「オペラ」という名前がついていますが、旋律はクラシックというよりは、レトロな映画音楽が近いような気がします。楽器編成も通常のオーケストラではなくて、ジャズ編成となっています。ジャズのリズムだけでなく、タンゴも使われている部分があります。これはオペラよりはミュージカルに分類しても良いのかもしれません。

ロンドンのソホーというスラム街が舞台の場面です。その貧乏くさい題名の通りロマンチックでもなく、煌びやかでもありません。一見親しみを感じさせ、喜劇のようでもあるのに鋭い風刺とシリアスな部分も見え隠れするこの作品はまるで、チャップリンの映画のようでもあります。

3人の女の間を行き来しながらも逮捕と逃亡を繰り返す主人公は最後に死刑を宣告されるにも関わらず、直前になって女王の即位が原因で恩赦になるだけでなく貴族にまでなってしまいます。こんなこと、普通ありえるはずありません。しかし、それだけにこんな「何でもアリ」の世の中でどうやって生きるべきなのかを考えさせられるのです。

 

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