Cosi fan tutte
(ダ・ポンテ原作/モーツァルト作曲)
あらすじ
1幕
青年士官のフェルランドとグリエルモは友人同士で、それぞれドラベラとフィオルディリージという姉妹の恋人がいる。自称哲学者のドン・アルフォンゾが彼女たちの貞操に疑問を示したため、フェルランドとグリエルモは恋人の貞操を示すために賭けをする。
一方、姉のフィオルディリージと妹ドラベラはそれぞれ自分の恋人の肖像を見せて自慢しあっている。そこへ恋人の士官2人が出征しなくてはならないことを告げるので、姉妹は悲しみにくれる。
姉妹の小間使いのデスピーナは気晴らしを見つけるように勧める。そんな彼女にドン・アルフォンソは買収して、自分に協力するようにと頼む。
フェルランドとグリエルモは髭をつけて、アルバニア人に変装し、姉妹を口説く。姉妹は怒って、恋人に貞節を守ると言っているのを見て、2人は喜んでいる。そして、今度は、失恋のために、自殺すると言い出して、毒薬を飲んだフリをして自殺しようとして倒れる。姉妹は驚き、デスピーナに医者を呼びに行かせる。医者に扮したデスピーナは磁石の治療器を用いたデタラメの演技で2人は治ったフリをして、同情している姉妹を再び口説く。姉妹は怒るが、デスピーナとドン・アルフォンソはムキになっているのが怪しいと睨んでいる。
2幕
デスピーナは姉妹に浮気を勧めているので姉妹は心がゆれている。ドラベラの方が乗り気になっている。ドラベラはフィオルディリージの恋人グリエルモを選び、フィオルディリージはドラベラの恋人フェルランドを選ぼうと相談する。庭で本来の恋人が入れ替わってしまったカップルができる。ドラベラはグリエルモの求愛に簡単に応じてしまう。グリエルモはドラベラからフェルランドのロケットをもらい、フェルランドに見せて、同情し、本来の恋人の貞操を自慢する。フィオルディリージはグリエルモへの貞操を守り、恋人に逢う為に軍服を着て戦地へ赴こうとするが、とうとうフェルランドの求愛に応じてしまう。
2人の青年はドン・アルフォンソを非難するが、彼は「女は皆こうしたもの(イタリア語で「コシ・ファン・トゥッテ」)。それでも愛しているのではないか」という。
入れ替わってしまった2組のカップルの結婚式が公証人に変装したデスピーナの元で行われる。突然、戦地から戻ってきた兵士達を迎える合唱が聞こえてくる。姉妹は慌てて、アルバニア人と公証人を隠す。元の姿に戻ったグリエルモとフェルランドは恋人との再会を喜ぶが、姉妹の顔は青ざめている。結婚証明書に姉妹のサインがあることを2人は怒り、姉妹は許しを乞うが、試されていたことを悟る。
デスピーナは自分も騙されていたと残念がり、ドン・アルフォンソの慰めで、恋人達は元の鞘に戻るのだが…?
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オペラ解説の本を読むと最後はハッピーエンドだと載っているのですが、本当にそうなのだろうか?と疑問に残ります。実際、ビデオや舞台を見ても、本当にハッピーエンドのものだけではなくて、恋人達ががっかりしているものも少なくありません。例え、ハッピーエンドでも入れ替わったままで終わり。あるいは、何度もこの後、恋人たちの交換を楽しむのではないかと思わせるものもあります。現実的に戦地へ向かった恋人が戻ってくるまで、何十年もしのびつづけていることは不可能かもしれません。それでも、自分も相手もそうではない、という妄想を信じるのが恋愛ではないのかと思います。この4人はその妄想を破られてしまいました。ドン・アルフォンソとデスピーナが裏工作をしたから1日だけで、こんなに変ってしまったけど、現実から目を背けたいのが、恋心でしょう。
しかし、グリエルモとフェルランドは貞節を試す為の演技だといいながらも、姉妹は騙されていたとしても、実は恋人の交換を楽しんでいたのではないだろうかと私は思ってしまいます。その刺激がかえって、新鮮な幸福をもたらすのか、裏切られた不幸をもたらすのかは、疑問に残りますが。
見逃せないキャラクターはデスピーナです。彼女は世間ずれしていて、頭が良く、好奇心も強いです。2人の姉妹のような深窓の令嬢が浮気をしてスキャンダルを起すのを見るのが楽しいのです。日常生活でも他人の浮いた話を聞きたがるような、こういう人ってよくいますよね。ダミ声を出して、医者や公証人に変装する場面も面白いです。ただ、不思議なのは彼女って何歳なのでしょう?姉妹が「あの娘」と言うから、彼女たちよりは若いのでしょうか?でも、育ちが違うとしても、人生経験は随分豊富なような気もするし、他人の浮いた話に興味を持つのはもっと年上のような気もしなくはないです。