Dido and Aeneas

(ヴィルギリウス原作・パーセル作曲)

あらすじ

1幕

カルタゴの女王ディドは漂着したトロイの王子エネアスの求婚を受け入れ、周囲から祝福されて結婚する。

一方、魔女たちは、全てを持っているディドを陥れようとして、エネアスと別れさせるように仕向けようと話合っている。

2幕

森の中で、ディドとエネアスの一行が狩に着ている。突然、嵐になったので、皆は森から出ようとする。出遅れたエネアスにマーキュリーの姿に変装した悪魔が、すぐにイタリアへ渡ってトロイを再建するのが義務である、と言う。エネアスはディドのことを心配しながらも、従うことにする。
魔女たちは自分たちの策略が成功したことを喜ぶ。

3幕

魔女たちは、エネアスの船の水夫たちが、出発の準備をしているのを見て、喜び、次は、船を嵐に合わせ、ディドを死なせることにしようと言っている。
夫との別れを悲しむディドに、エネアスが弁解しようとするが、彼女はそれを遮り非難し、出発するようにと追い立てる。
ディドは自らの命に手を下し、忠実な侍女ベリンダの腕の中で息を引き取る。エネアスの船は出発して行く。人々は女王の死を悲しむ。

 

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マイヤベアの「アフリカの女」のミニチュア版というべきオペラでしょうか?演奏時間はわずか1時間なのですが、ストーリーが大変似ています。

カルタゴというところは、現在のチュニジアのことで、紀元前814年に建国して貿易で栄えましたが、ローマに支配されます。また、4世紀の哲学者アウグスチヌスがキリスト教に入信する前に、女性と同棲し子供までもうけていた地でもあります。

エネアスはトロイ王と女神アフロディテとの間に生まれた王子でしたが、戦争でトロイが攻められた事で父親や妻子と共に逃げましたが、その家族とも途中ではぐれてしまい、北アフリカ沿岸の国カルタゴに漂着し、女王ディドに愛されるようになりました。しかし、エネアスは愛を振りきり、彼女は自殺します。彼はそれから7年放浪した後、イタリアにたどり着き、そこの国の王女と結婚し、後のローマ帝国の土台を作りました。

パーセルが作曲をしたのは1689年が有力な説となっています。彼の名作というだけではなくて、17世紀のオペラ史上でも貴重な存在となっています。楽器は今のオーケストラではなくて、弦合奏とチェンバロのレチタティーボとなっています。ディドの出番が圧倒的に多く、それも短調の苦悩した場面が多いのですが、重要な役割を果たしているのは侍女ベリンダです。1幕で、恋に悩む女王に「思いきって告白したらどうでしょう?なんだったら私から伝えてあげましょうか?」って、まるで友達のようなことを言っています。ディドはその後、エネアスに求婚されて結婚し、ベリンダを始めとする人々が祝福の合唱を歌いますが、彼女自身はその喜びを感情には出しません。ディドは苦悩を歌いますが、彼女の喜びはベリンダが代弁しているのです。祖国の再建のために、ローマへと渡ったエネアスでしたが、女王という立場にも関わらず愛のために人生を捨てたディドは情熱的すぎる生き方をしたのでした。

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