Don Pasquale
(ドニゼッティ作曲)
1幕
資産家で独身の老人ドン・パスクワーレは友人の医者マラテスタに結婚相手の紹介を頼んでいた。マラテスタは美しい女性がいて、それは自分の妹であると言う。パスクワーレは乗り気で新婚生活を夢見る。 一方、パスクワーレにはエルネストという甥がいて、彼には自分の財産を分けるから、自分の進める娘と結婚するようにと言うが、ノリーナという恋人がいるエルネストは気が進まない。パスクワーレは、それなら自分の財産はお前にはやらずに、自分が結婚して生まれた子供に財産を分けると言うとエルネストはあきれてしまう。
2幕
ノリーナのもとにエルネストからの結婚の夢が壊されたのでローマを去るという別れの手紙が届く。マラテスタは、ノリーナに修道院にいる妹のふりをして、パスクワーレと結婚して手を焼かせようという提案をすると、ノリーナも納得する。 マラテスタの連れてきた女性の初々しさに惚れこんだパスクワーレはさっそく結婚式を挙げる。マラテスタは偽の公証人を連れてくる。パスクワーレに別れを告げようとしたエルネストはノリーナが伯父と結婚することを知って絶望するが、式が芝居であることに気付く。式が終わると、新妻は急に態度を変えてパスクワーレをてこずらせる。
3幕
パスクワーレは新妻が買いこんだ物の請求書に手を焼いている。劇場へ行こうとする彼女を引き止めようとすると、彼女は平手打ちをくらわす。その上、彼女は別の男と逢引をするという、手紙を落として行く。怒ったパスクワーレは離婚して甥のエルネストにノリーナとの結婚を認め財産を譲ることにすると言う。しかし、パスクワーレの妻とノリーナが同一人物であることを知って唖然とするが、若い恋人たちの結婚を認めることにする。
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「奥様女中」や「ピンピノーネ」のようにリリコ・レジェロのソプラノがお金持ちで独身の老人を騙して結婚するという、古くて典型的なオペラ・ブッファの影響を思わせるオペラです。 「ピンピノーネ」のように老人の泣き寝入りに終わらず、最後は丸く収まってくれて良かったです。とは言え、頑固とはいえ新婚を夢見る老人が裏切られたのはちょっと可哀想ですが。老人が年相応の女性ではなくて、修道院から出たばかりの初々しい妻を望むというところは哀感が感じられます。それに比べて、パスクワーレよりもずっと若いはずのエルネストは未亡人であるノリーナと恋仲です。年を取るにつれて、恋人の条件として、きびきびした若さではなくて、初々しく従順な若さを求めるものなのでしょうか? 主要な女声の役はソプラノのノリーナ1人だけです。題名は「ドン・パスクワーレ」ですが、周りの男性を引っ掻き回す元気が良くて機転の利く役です。むしろ、ドン・パスクワーレ以上に演技と歌唱力がないと難しいかもしれません。リリコ・レジェロが歌うことになっている役ですが、コロラトゥーラのフレーズも多いです。