La Fanciulla del West

(ベラスコ原作・プッチーニ作曲)

あらすじ

1幕

ミニーはカリフォルニアの鉱山の町で「ポルカ」という居酒屋を営んでいる。彼女は、故郷を離れて出稼ぎに来た鉱夫たちにとって、マドンナ的存在である。保安官ランスは彼女に求愛するが、拒まれてしまう。

サクラメントのジョンソンと名乗る男がこの酒場に入ってくる。彼はよそ者だが、元々顔見知りだったミニーはもてなす。盗賊ラメレスの手下のカストロが引きたてられてくる。人々は、彼を手引きにしてラメレスを探しに行く。2人きりになったミニーとジョンソンは互いに惹かれ合う。

2幕

ミニーが暮している山小屋に、ジョンソンがやってきて愛を誓い合う。外はひどい吹雪で、ピストルの音が聞こえてくるので、ミニーは帰らないで、泊まるようにというが、人々がやってくるので、彼を隠す。ランス達がミニーの家にやってきて、ジョンソンは手配中の盗賊の頭ラメレスであることがわかったので、捕まえに来たというが、彼女は否定して彼らを追い返す。その後、ジョンソンをも非難して追い返すと、銃声が鳴るので慌てて彼を家に戻して手当てをする。

ランスがミニーの家に再びやってきて、血を流しているジョンソンを見つける。ミニーはランスにジョンソンと自分の操をカードで賭けることにし、自分が不利になると、いかさまで勝って、大喜びする。

3幕

ジョンソンは、人々に捕えられて処刑されようとしている。そこへミニーがやってきて、今までの自分と鉱夫たちとの間に芽生えていた仲間意識に免じて許してほしいと説得する。人々は、ランスをゆるし、2人は感謝しつつもカリフォルニアを離れて行く。

 

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プッチーニの甘美な音楽と、殆どが鉱夫の男性ばかりのむさくるしい舞台がミスマッチなのですが、ミニーの気丈さにはっとさせられてしまいます。

登場人物は金を掘り当って、大金を家族のもとへ持って行くために、故郷を離れてきた人ばかりです。まだ、きちんとした法律は整備されているわけではありません。それだけに、いかさま賭博だけでも、「首吊りにしろ」とさわぐような有様です。死刑執行も法による刑罰ではなくて、「私刑」のようなものです。その反面、法は情と両立しないことが多いですが、この世界では違います。ミニーが仲間として、私の願いを聞き入れてというと、それにほろりとした人々は許してしまいます。

保安官ランスも悪役にはなりきれていません。ジョンソンの身柄とミニーの愛のために、カードで勝負します。もしも「トスカ」のスカルピアだったら、カードで勝負というような賭けをしないで、「ヤツの命が欲しければ、オレの女になれ」と言ったでしょう。しかし、彼はそんなことをしないで、約束を守ります。スカルピアを刺すトスカに比べれば、ランスにいかさまを働くミニーも可愛いものです。元々ミニーはランスを憎んでいたわけではなかったのです。そして、彼は義理を重んじる人物なのです。

ミニーは酒場で「ここの人達は家族のために大金を集めている人ばかりだ。それを盗まれてしまうことは可哀想だ」とジョンソンに言います。貧しさが原因で盗賊となったジョンソンもまた、その言葉にはっと気付いてしまうのです。その一方、1幕でジョンソンがやってくる前にミニーは聖書を読み、「どんな罪を犯した人間も、またやる直すことができるのだ」と、鉱夫たちに言って聞かせます。それが、3幕で再びモチーフになります。このオペラのテーマはまさしくこの言葉にあります。

 

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