Gianni Schicchi
(台本ジョヴァッキーノ・フォルツァーノ/作曲プッチーニ)
初演
1918年12月14日 ニューヨーク、メトロポリタン歌劇場
登場人物
ジャンニ・スキッキ(Br)/ラウレッタ(その娘、S)/公証人(B)/医者(B)/ツィータ(富豪ブオーソ・ドナティの縁者、MS)/ゲラルド(同、T)/ネルラ(同、S)/ゲラルディーノ(同、ボーイソプラノ)/ベット(同、B)/シモーネ(同、B)/マルコ(Br)/ラ・チェスカ(同、S)/リヌッチオ(同、ラウレッタの恋人、T)その他
あらすじ
1幕
フィレンツェの富豪ブオーゾ・ドナティの葬儀の場。親族たちは表向きは悲しんでいるが、本当は遺産のことを気にしている。彼らが遺言状を見つけ出すと、遺産は親族の手に渡らず修道院へ寄付されるという噂が真実であることに絶望する。しかし、誰も見ていないのだから遺言状を書き直す方法はないかと相談し始める。リヌッチオはジャンニ・スキッキの助けを求めようと提案する。成り上がりの彼を快く思わない親族たちは反対するが既に彼は娘を伴ってやってきた。ツィータは彼に遺言状を見せて、窮地を救って欲しいというが、ジャンニは拒否する。しかし、娘が泣きながらリヌッチオと結婚させて欲しいと頼むので、承知する。ジャンニはまだブオーゾが生きているということにして、ジャンニ自らブオーゾになりすまし、遺言状を書き直そうとする。ジャンニは「遺言の偽造は手を切断されて追放になる」と警告する。
公証人がやってくると、ジャンニはブオーゾになりすましベットの中から「財産は親友ジャンニ・スキッキに譲りたい」と言う。親族たちが怒ると、ジャンニは「さらばフィレンツェ」と歌う。公証人が帰ると親族たちは彼を罵るが、「わしの家だ出て行け」と追い出してしまう。
静けさが戻ると恋人たちがテラスでフィレンツェの街をながめながら愛の二重唱を歌っている。ジャンニはそれを見守りながら、自分は地獄へ落ちること、ダンテに情状酌量の許しを求めて、幕切れとなる。
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「外套」「修道女アンジェリカ」とこのオペラを合わせて「プッチーニの三部作」と言います。これはダンテの「神曲」の「地獄篇」「煉獄篇」「天国篇」からヒントを得たとされていますが、どれもそれほど長くはない作品であるにも関わらず、一度に3つまとめて上演されるということは滅多にありません。このオペラはプッチーニの唯一の喜劇とも言われています。しかし、単純に笑えるものではありません。ジャンニは自分が地獄へ落ちる運命にあることを知っているのです。
ラウレッタの「私のお父さん」が有名ですが、前後の話と離れているような気がします。結婚を許してほしいというのと、財産を親族に渡るようにするというのは話が別ではないでしょうか?財産が修道院へ寄付されてしまったら恋人はお金がなくなり結婚できなくなってしまうのでしょうか?とても美しい長調の旋律のアリアですが、「許してくれなかったらアルノ川に身投げしますからね」と脅しが入っています。この恋人たちには財産が親族側に渡ろうがジャンニのものになろうがどちらでもかまわなかったのかもしれません。事実、不満そうに去っていく親族を尻目に二人は幸福そうに美しいフィレンツェの街並みをながめています。