Halka
(台本ウォルスキ/作曲ストラニラフ・モニュスコ)
初演
1848年・ヴィリニュス(演奏会形式による2幕版) 1858年・ワルシャワ大劇場(4幕版)
登場人物
ヤヌシュ(領主、Br)/ストルニク(高官、B)/ハルカ(ヤヌシュの農奴の女、S)/ヨンテク(ヤヌシュの農奴、T)/ゾフィア(ストルニクの娘でヤヌシュの婚約者、MS)/その他
あらすじ
1幕
ヤヌシュとゾフィアの婚約祝賀会が開かれている。そこに、若い娘の悲しむ声が聞こえてくる。彼女はヤヌシュに弄ばれた貧しい娘ハルカである。彼女はヤヌシュの子を妊娠していて、結婚も仄めかされていたので、ヤヌシュの裏切りを信じることができないのである。ゾフィアはその様子が気がかりになり、ヤヌシュは良心の呵責を感じるが、婚約者やその家族の手前では知らないふりをしながらも、席をはずして、ハルカに夜の逢引を約束し、祝賀会に戻る。
2幕
まだ、婚約祝賀会は続いている。ハルカは、その様子を窓から見て、ヤヌシュが別の女性と結婚するということを知ってしまい、衝撃を受ける。彼女を愛しているヨンテクは身分違いの恋をあきらめろと言う。ヤヌシュが現れると、ヨンテクが、貧しく身寄りのないハルカを庇おうとするので、ヤヌシュはヨンテクとハルカの結婚を祝福して高い祝い金を与えるという。
3幕
1ヵ月後、ヤヌシュの領地である寒村。農民達が、領主の結婚の準備をしている。ヨンテクが狂乱状態になったハルカを連れてくる。ヨンテクは農民達に、なぜハルカがこのような状態になってしまったのかを説明する。
4幕
ヤヌシュの領地の寒村にある小さな教会の前の広場でヤヌシュとゾフィアの婚礼の行列がやってくる。何も知らないゾフィアは自分の婚礼の祝賀会で見かけた娘の様子をみて、同情するが、ヤヌシュと一緒に教会に入る。ハルカはヤヌシュの子が飢えで死んだこと、自分こそが妻であると訴え、教会に火を放とうとするが、「愛する人を殺すことはできない」と言い、崖から身投げしてしまう。
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ポーランドの最も代表的な国民的オペラの1つとされています。ヒロインの名前も「ハルカ」で、日本人のような名前ですね。富も権力もある青年が貧しい娘を弄んで、自殺してしまうという、あり触れたストーリーなのですが、ポーランドの民族的オペラとされているだけあって、ポロネーズやマズルカなども多用されています。なかなか、ポーランド以外の国では上演される機会はなさそうですが、ポーランド国内では、よく上演されています。
音楽は、チャイコフスキーのように、スラブ的でありながらも、西洋的な雰囲気もあります。教会の婚礼の入場の場面では、オルガンの音が聞こえてきます。スラブ圏の言葉で歌われているので、ロシア語と間違えてしまうかもしれませんが、ロシア正教の聖歌は楽器を用いないのに対して、ポーランドはカトリックの国ですから、オルガンを使うのです。ハルカが最後のアリアの伴奏でもオルガンが聞こえてきます。別の女性との婚礼を自分の婚礼と混同させてしまう様子がわかります。
ゾフィアは、事情を知らないせいか、最初から最後まで、ハルカに対して同情的ですが、自分の婚礼の日に、領民が自殺したということを知って、どう思ったのでしょう?
ハルカの声を聞いてみると、基本的にリリコ・ソプラノなのですが、感情の起伏が激しいキャラクターなので、まるで消え入ってしまいそうなはかなげな部分と、狂乱の状態で主張するという強い部分の使い分けが難しそうだと思いました。
このオペラは最初、2幕版で作られましたが、4幕版となりました。1幕と2幕、3幕と4幕の時間の経緯は殆どありません。それほど、上演時間が長い作品でもないのに、わざわざ幕を分けて作ったのでしょう?せめて、1場と2場というように分ければよかったのに・・・という気もしなくはありません。