A Kekszakallu Herceg Vara
(台本ベラ・バラージュ/作曲バルトーク)
初演
1918年・ブタペスト国立歌劇場
登場人物
青ひげ公(B)/ユディート(その妻、MS)
あらすじ
1幕
青ひげ公の城のホールには7つの扉がある。青ひげ公は自分の元に嫁いできたばかりのユディートにこの陰気な城でもついてくるのか?と聞くと、彼女は「いつまでも」と答える。彼女の実家もかつての婚約者も悲しんでいるから帰るなら今だというが、彼女の決意は変わらない、陰気な城を明るくしてみせるという。城には7つの扉があるので、彼女は中に入ってみたいという。青ひげ公は「必要ない」というが、しつこく要求するので、第一の扉の鍵を渡す。
第一の扉が開くと、白い殺風景な拷問部屋に血が流れてくるのが見える。彼女はその不気味さに驚くが、次の部屋も見てみたいと、第二の扉の鍵も求める。
第二の扉を開くと、武器庫になっている。その立派な武器の数と、それを使ったという青ひげ公の功績がうかがえるが、血が流れてきているのに気付く。
第三の扉を開くと、金銀や宝石での宝庫だった。ユディトは思わずうっとりし、青ひげ公はそれはお前のものだという。しかし、宝石に触れてみると、そこから血が流れてくるのだった。
第四の扉が開くと、美しい花園が辺り一面に広がっている。ユディトは見とれ、青ひげ公は優しく逸れはお前のものだという。しかし、その花は血を吸って咲いていることに気付く。
第五の扉が開くと、高い出窓から青ひげ公の広大な領地が広がって見える。しかし、その空の雲も血のように赤いのであった。
青ひげ公は、これらのものは全てお前のものだから、残りの2つの扉は開けないで置こうという。しかし、ユディトはなぜどの部屋にも血が流れているのかわからず、不信な気持ちになってきている。
第六の扉が開くと、乳白色の池がある。青ひげ公はこの池は涙の池であると説明する。
ユディトは残りの部屋に青ひげ公の前の妻の死体があるに違いないと言い出し、どうしても扉を開けるようにという。
第七の扉が開くと、3人の女性が、直立不動でマントに冠をつけて立っていた。青ひげ公は一人目の女性は夜明けに知り合い、二人目の女性は昼に知り合い、三人目の女性は夕方に知り合ったのだといい、それぞれの女性の魅力を説明し、それぞれの時間は彼女達のものだと言う。ユディトは彼女たちの美しさに劣等感を感じてしまう。青ひげ公は、ユディトを夜に豪華で美しい服装に飾り立て、全ての夜はお前のものだという。ユディトは四人目の女として、他の女性と並び動かなくなってしまうのだった。青ひげ公は「夜よ永遠に続け」と言う。
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青ひげ公の話は、ペローの童話の「マ・メール・ロア」が原型としてよく知られています。よく知られているのは青ひげ公は妻を次々と殺したという話ですが、このオペラでは妻は死んだのではなくて、幽閉されている状態です。彼女達は無表情で何も言わないので、死んでいる以上に不気味かもしれません。
青ひげ公とユディトの会話を最初から最後まで聞いていると、互いに変わってきていることがわかります。最初、青ひげ公は「帰るなら今だ」といいますが、ユディトは自分の手で城を明るく楽しくしてみせると、献身的についてくるといいます。しかし、一つずつ扉を開けるごとに、血があることに彼女は少しずつ不信がります。家族の反対を押し切って嫁いできたのだから、前の妻が次々と殺されているという噂は聞いているはずですが、最初は気にしていなかったことも、彼女自身、どんどん疑うようになります。
青ひげ公は孤独な男性ですので、自分が喜ばせてあげたいという気持ちにさせられてしまうのかもしれません。しかし、それは結局全て相手の心を満たせるものではありません。結局、ユディトは孤独な男性を喜ばせてあげたいという気持ちは報われず、犠牲になってしまいます。
本とかCDとか、小物とかをコレクションすることが好きな方は多いと思います。私も、図書館の視聴覚室顔負けの数のCDを集めておきたいという気持ちもあれば、旅行先で工芸品などを買って集めたいという気持ちもありますが、それを買う経済的問題だけでなく、どこに置けば良いのかという空間的問題もあるためあきらめています。でも自分の物を集めるということだけで、完全に満足するということはないのかもしれません。