Pelleas et Melisande

(メーテルリンク原作・ドビッシー作曲)

あらすじ

1幕

森の中で狩をしていた王子ゴローは、若く不思議な女性が泣いているのを発見する。彼女に素性を尋ねようとする。娘は抽象的な答え方をしているが、メリザントと名乗る。ゴローは彼女を連れて行こうとする。

妻に先立たれていたゴローは祖父のアルケル王に素性の知らない女性との結婚を認めて欲しいという手紙を書く。

城の暗さを嘆いているメリザントを姑のジュヌヴィエーヴが慰めている。ゴローの父違いの弟ペレアスが登場して嵐が近いことを告げる。ジュヌヴィエーヴは息子にメリザントを送るように言うが、彼女は自分の手が花でいっぱいなので、手を引くのを断る。ペレアスが明日出発することを言うと、彼女は「どうして?」と聞く。

2幕

ペレアスと一緒にいるメリザントはゴローからもらった指輪を弄んでいると、井戸の底に落としてしまう。落とした瞬間に落馬で怪我をしたゴローをメリザントが介抱している。ゴローは彼女が指輪をしていないのをみて、問い詰める。ゴローは無理にでも探すようにいい、メリザントはペレアスと一緒に探しに行く。

3幕

 メリザントは塔の窓から身を乗り出して自分の髪を梳いている。彼女の髪は長いので、塔の上からでも充分に地面につく。地面にいるペレアスが彼女の髪を愛撫する。ゴローは2人をたしなめる。ペレアスには妊娠中の妻を避けるようにと言う。ゴローは先妻の子イニョルドに肩車をして、メリザントの部屋をのぞかせてペレアスとの様子を探ろうとしている。

4幕

ペレアスは旅に出る決意をして、その前にメリザントと会う約束をする。アルケルはメリザントとしみじみと語り合っていると、ゴローがやってきて、メリザントの髪を持って床を引きずりまわす。泉のある庭で、ペレアスとメリザントは遭い、お互いの気持ちを確かめあう。その時、ゴローがやってきてペレアスを刺し殺してしまう。

5幕

産辱と病気で横たわっているメリザントにゴローは後悔しながらもペレアスとの関係を聞こうとする。彼女はまた抽象的な答え方をする。アルケルとジュヌイエーヴがやってきて、メリザントの産んだ女の子を抱かせようとするが、彼女にはすでにその力もない。真実を知りたいゴローは2人きりになりたがるが、アルケルにたしなめられる。メリザントは息を引き取り、ゴローは大泣きする。

        

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大きく好みが分かれそうなオペラです。場所は宮廷のはずなのに、他のオペラのような宮廷らしい壮大さ、華やかさがありません。お城というよりは森の中にある人気のない洋館みたいです。また、メリザントという女性とこの独特の音楽が抽象性を醸し出しています。

メリザントはとても不思議な女性です。どこから来たのかはよくわからない、ゴローの問いに対して、ペレアスを愛していたといいながらも、潔白だったと言います。また、このオペラを観終えた観客には、メリザントが死ぬ直前に産んだ女の子はペレアスの子かそれともゴローの子かという謎が残ります。

メリザントは人間ではなくて、水の精だったのだ、という解釈が多いです。彼女が残した女の子は将来どうなるのか、ゴローを始めとする取り残された城の人はこれからどのようになるのか、とても気になるのです。

ペレアスよりもゴローの方がもしかしたら目立つかもしれません。愛する人を傷つけながらも後悔する気持ちを表現しなくてはなりません。

このオペラを楽しむには、CDだけでは無理だと思います。視覚的なものも大切だからです。有名なのはメリザントが塔の上から垂らしている髪を地上にいるペレアスがつかんでいる場面と、ゴローが自分の子にのぞきをさせている場面(これは発表当時スキャンダラスなものだったらしい)はぜひ一度観た方が良いとおもいます。

音楽的にはドビッシーの印象派らしくノスタルジックな感じですが、好き嫌いに分かれるでしょう。

メリザントという謎の女性のせいで、このオペラが気に入った人にも気に入らなかった人にも余韻が残る作品です。

 

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