Les Pêcheurs de Perles

(台本カレ・コルモン共作/作曲ビゼー)

初演

1863年9月30日 パリ テアトル・リリック

登場人物

レイラ(S)/ナディール(T)/ズルガ(Br)/ヌーラバット(B)/その他 僧侶、尼僧、漁夫、島民たち 

あらすじ

1幕

古代のセイロン島の浜辺で、島民たちは仲間の漁夫ズルガを新しい棟梁に選ぶ。そこへ彼の旧友ナディールが現れる。2人は再会を喜び、かつては同じ女性レイラを愛し争ったが、水に流して友情を誓いあう。ヴェールを被ったバラモン教の尼僧を乗せた船がやってくる。ズルガは真珠採りの安全を祈るために連れてこられた彼女に信仰と純潔を誓わせる。声を聞いたナディールは彼女がレイラでまだ愛している気持ちを隠しきれずにズルガにそのことを話さなくてはならないと悩む。祈りの最中、ナディールは一瞬ヴェールを取ったレイラに愛の言葉を呼びかけ彼女も答える。

2幕

高僧ヌーラバットの指示でレイラは崖の上の寺院にいると、幼い時に逃亡者を助けてお礼に見事な首飾りをもらったことを武装した仲間に言う。ナディールがやってきてお互いに愛を確かめ合う。駆け落ちを訴えるナディールにレイラは死へつながると拒絶するが、情熱に抑えきれず、明晩に落ち合うことを約束し、ナディールは逃げる。その時、銃の音がして、ナディールはつかまってしまう。ズルガはナディールお助けようとして、2人に退去を命じる。しかしその尼僧がレイラであったことを知り、友情を裏切られたことと嫉妬から2人に死刑を宣告する。

3幕

ズルガは友人に死刑を宣告してしまったことを後悔する。レイラがナディールの助命を願いにやってくると、彼は愛を告白し、ナディールへの嫉妬を打ち明ける。しかし、レイラの気持ちは変わらない。ヌーラバットが処刑の準備が整ったことを知らせにくると、彼女は昔に人を助けたお礼にもらった首飾りを母親に形見として渡して欲しいという。ズルガは首飾りを与えたのが自分であったことを知り、2人を助ける決意をする。

火刑の準備が整った処刑場にレイラとナディールが連れられてくる。ズルガは街に火を放ち、民衆が大騒ぎしている間に2人の縄を切って、逃がす。その様子を影で見ていたヌーラバットはズルガの裏切りを告発する。彼は民衆の怒りで倒れ、レイラを救えたことを喜びながら息絶える。

 

 

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ビゼーのオペラといえば、「カルメン」が有名ですが、このオペラも世界のオペラハウスの中では、知名度のわりには上演される機会があるようです。「カルメン」はスペイン色豊かで、スペインの民族舞踊のリズムを参考に取り入れていますが、この「真珠採り」はスリランカやインドの音楽を参考にしたわけではありません。しかし、東洋のエキゾチックさを思わせる部分が多く見られます。

「タイス」「ノルマ」「ラ・ファヴォリータ」にあるような「聖と俗の世界」と恋愛が絡む問題をテーマにしたオペラは、ストイックな設定であるだけに観る者を掻きたてられる要素があります。なぜか、同じ聖職者でも結婚を許されているプロテスタントの牧師が登場するということはまずありません。登場するのはカトリックをはじめとする貞潔を義務図けられている聖職者です。ナディールを認めながらも、レイラは尼僧になるのを取り消すチャンスを与えられた時に、それを拒否します。にもかかわらず、その直後のナディールの呼びかけを無視しませんでした。タブーであることには変わりないけれども、このオペラは宗教的制約要素がやや弱い感じがします。それよりも1人の女性をめぐるズルガとナディールの友情と嫉妬の板ばさみという要素の方が強いような気がします。

主要人物は4人だけで、ごちゃごちゃした脇役が少ないのが特徴です。美しいのは冒頭で歌われるナディールとズルガの友情を誓い合うハープの分散和音を伴奏にした二重唱です。このフレーズはモチーフとなって、愛や友情の動機としてさまざまな部分に現れます。また、最後の三重唱でもハープの伴奏で恋をあきらめ自分を犠牲にするズルガと感謝する恋人の感動的な場面があります。

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