ワーグナー「ニーベルングの指輪」

〜総集編〜

 

上演時間が14時間以上にもなるワーグナーの大作「ニーベルングの指輪」は4夜に分けられて上演されます。その順序は以下の通りです。

 

序夜:「ラインの黄金」

ライン河に沈んでいる金で指輪を作ると、世界中の富と権力が手に入るという。その金を水精の3人のラインの乙女達が守っているが、小人族(ニーベルング族)アルベリヒが奪ってしまう。全神ウォータンはワルハラ城を巨人族の兄弟に建ててもらった報酬として、義妹の美の女神フライアを要求されている。それに代わるものとして、アルベリヒから指輪や財宝を奪い、巨人族に与える。

 

第一夜:「ワルキューレ」

ウォータンと知の女神エルダの間に生まれた娘達はワルキューレと呼ばれ、戦死した英雄をワルハラ城に運ぶ役割を果たしている。ウォータンは人間の女性に双子の兄妹ジークムントとジークリンデも産ませている。彼らを支援するつもりだったが、正妻で結婚の女神フリッカに反対され、ワルキューレの一人、ブリュンヒルデに方針を変えるようにという。しかしブリュンヒルデはそれに従わなかったので、いつか勇気のある男性が彼女を目覚めさせるまで岩山に眠らせ、火で囲む。

 

 第二夜:「ジークフリート」

アルベリヒの弟、ミーメが指輪を得る目的でジークフリートとジークリンデの遺児のジークフリートを育てている。勇敢な若者に成長したジークフリートは指輪を守っている巨人族ファフナーと養子を殺して指輪を奪おうと考えているミーメを殺す。小鳥の声に導かれてジークフリートはブリュンヒルデを目覚めさせて、妻にする

 

 第三夜:「神々の黄昏」

アルベリッヒの子ハーゲンは父の遺志のために、指輪を奪うことを考えている。彼には異父兄弟のグンターとグートルーネがいる。ジークフリートに過去の女性を忘れさせる薬を飲ませてグートルーネに求婚させ、その条件にブリュンヒルデを騙してグンターと結婚させる。夫の裏切りを怒ったブリュンヒルデはハーゲンにジークフリートの弱点を教える。狩りで記憶を戻したジークフリートはハーゲンに殺されてしまう。ブリュンヒルデは夫を焼く火の中に飛び込むと、ワルハラ城も炎上してしまう。

 

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この長いオペラの台本を作ったのは作曲者のワーグナー自身で、北欧神話やドイツの叙事詩を参考にして一本のストーリーにまとめ上げました。

4夜全てに登場する役柄はいません。しかし、何らかの関わりがつながっているのです。

名前

(種族)

声域

登場

立場

特徴

ヴォータン(神)

Br

×

全神

神々のリーダー

神にしてはかなり人間くさいところもある。
神々の権威を誇示するためにワルハラ城を建てたことが発端でトラブルが起きることに。

フリッカ(神)

Ms

×

×

結婚の女神

ヴォータンの妻

神の権威を重んじているわりには所帯じみている。セクシーな女性と不倫が嫌い。
ヴォータンに堂々とした人間の主婦らしい抗議もしている。

フライア(神)

S

×

×

×

美と青春の女神

フリッカの妹

ワルハラ城の担保として巨人族のところにいる。
彼女が育てた金の林檎によって神々は若いままでいられる。

フロー(神)

T

×

×

×

喜びの神

フリッカ、フライアとは兄弟

巨人に怯えるフライアを守ろうとするところがカッコイイ。
結構、怒りっぽいところもある。

ドンナー(神)

Br

×

×

×

雷神

天気を司っている。

ローゲ(神)

T

×

×

×

火神

人間の血も混ざっているため、人間と神の世界を両方から客観的に見ることができて、奸智にも優れている。神々の世界からは浮いているせいか皮肉屋でもある。「ワルキューレ」以降も彼の茶化したような主題が何度も出てくる。

エルダ(神)

A

×

×

知と大地の女神

母性的な知の女神。普段は地下で眠っていることが多いが、たまに出没して神々に忠告する。無表情で神秘的な女神。

ファフナー(巨人族)

Bs

×

×

建築業者

ファーゾルトの兄

ワルハラ城を建てた報酬としてヴォータンから財宝と指輪をもらう。その後は大蛇となって、指輪を守りつづけていたが、ジークフリートに殺されてしまう。

ファーゾルト

(巨人族)

Bs

×

×

×

建築業者

ファフナーの弟

兄と共にワルハラ城を建てたが、その後、報酬の分配について争いを起こし、殺されてしまう。

アルベリッヒ(小人族)

Br

×

ハーゲンの父

ミーメの兄

ラインの乙女達にバカにされた腹いせにラインの黄金を手に入れる。しかし、ローゲとヴォータンに騙し取られてしまうので、指輪に呪いをかける。指輪を取り戻すことに固執している。

ミーメ(小人族)

T

×

×

アルベリッヒの弟

ジークフリートの養父

兄に似て狡賢いのだけれども、企んだことが全て裏目に出てしまう、損な人物。
指輪を得るためにジークフリートを育てるが、殺されてしまう。

ラインの乙女達

(水精)

S/S

/

Ms

×

×

ライン川の妖精。

ウォークリンデ、ウェルグンデ、フロースヒルデの3人がいる。ラインの黄金を守るのが役目。指輪を取り戻すことを熱望している。元々はいたずら好きで多くの男性を誘惑しているらしい。

ブリュンヒルデ(神→人間)

S

×

ワルキューレの一人。ヴォータンとエルダの娘

ヴォータンからは格別に可愛がられている。
しかし、ヴォータンの命令に背いたためにワルキューレを辞めて、人間の女性として生きることになる。

ワルトラウテ(神)

Ms

×

×

ワルキューレの一人。ブリュンヒルデの妹

ブリュンヒルデが去った後の神々の世界を心配していて、ブリュンヒルデに指輪をラインの乙女達に返すようにと言うが、拒絶されてしまう。

ワルキューレ(神)

(上の2人以外)

S/A

×

×

×

ヴォータンとエルダの間に生まれた戦乙女たち

上の2人以外に、ゲルヒルデ、オルトリンデ、シュヴェールトライテ、ヘルムヴィーゲ、ジークルーネ、グルムゲルデ、ロスヴァイセがいる。戦死した英雄たちをワルハラ城まで運ぶのが役目。戦死することになる英雄の前でのみ、彼女の姿を見る事ができる。

フンディンク

Bs

×

×

×

豪族

 

ジークリンデの夫。ジークムントとは元々敵方の人間だった。

ジークムント(ヴェルズング)

T

×

×

×

ヴォータンが人間に生ませた双子の兄

幼い時に妹と別れる。ウォータンは彼を勝たせるつもりで名剣ノートゥンクを贈ったが、結婚の女神フリッカに反対されたため、ジークリンデの夫フンディンクに殺される。

ジークリンデ(ヴェルズング)

S

×

×

×

ジークムントの双子の妹

兄と別れた後、フンディンクと意にそぐわない結婚をさせられる。兄との不倫の結果、ジークフリートを出産した直後に死ぬ。

ジークフリート(ヴェルズング)

T

×

×

ジークムントとジークリンデの間に生まれた子供

養父はミーメ。なぜか最初から養父に逆らってばかりいる。森の中で遊ぶのが好きで怖いもの知らず。勇敢で行動力はあるけれど、じっくり物事を考えることは苦手なようだ。

ノルン三女神

S/Ms/A

×

×

×

姉妹の運命の女神

エルダとある男神の間に生まれた運命の糸をつむいでいる女神。

ハーゲン(小人族)

Bs

×

×

×

アルベリヒの子

父の遺志を継いで指輪を得ることを考えている。ネクラな策略家。

グンター

Br

×

×

×

ハーゲンの異父弟

ライン河の豪族の嫡子。ハーゲンにそそのかしてジークフリートに騙してもらってブリュンヒルデと結婚した。

グートルーネ

S

×

×

×

グンターの妹

ジークフリートの妻。兄同様、ハーゲンにそそのかされて過去の女性を忘れる薬の入った酒をジークフリートに飲ませて結婚した。

 

ソリストだけで、これだけ登場人物がいます。前の方だと神が、後の方だと人間が主体になっています。

 

それぞれの「おすすめのオペラ」の「ニーベルングの指輪」の詳細解説

ラインの黄金 / ワルキュ−レ / ジークフリード / 神々の黄昏

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