Die Rosenkavalier

(リヒャルト・シュトラウス作曲)

あらすじ

1幕

若い伯爵オクタヴィアンと、マルシャリンこと侯爵夫人マリーテレーズは共に夜を明かした後の朝を迎えている。周囲が騒いでいるようなので、夫の元帥が戻ってきたと思ったマルシャリンはオクタヴィアンに女装をさせる。しかし、訪れたのは夫ではなくて彼女の従兄のオックス男爵だった。彼は自分は成金貴族ファニナルの娘ゾフィーと結婚するので、婚約のしるしとして花嫁に銀のばらを送る「薔薇の騎士」を選んで欲しいと言う。その一方、マリアンデルと名乗る小間使いに変装したオクタヴィアンを口説いている。元帥夫人はオクタヴィアンを騎士に推薦する。

一人になった元帥夫人は時と共に自分の若さが失われてしまうことで物思いにふけっている。戻ってきたオクタヴィアンが彼女の態度を見て嫉妬するが、マルシャリンはいつかあなたにもわかるはず、と説く。

2幕

ファニナルの屋敷で、ばらの騎士を待つゾフィーは身分の高い人と結婚するということで緊張している。オクタヴィアンが銀のばらを渡す。オクタヴィアンとゾフィーへ一目ぼれするが、オックス男爵が邪魔をする。ゾフィーは男爵の下品な振る舞いにうんざりするが、ファニナルや使用人たちは、彼を丁重に扱っている。ゾフィーはオクタヴィアンにオックスと結婚しないで済む方法を相談する。ゾフィーとの仲を咎められたオクタヴィアンはオックスに決闘をしかけて、ケガをさせてしまうが、マリアンデルからの手紙を受け取って機嫌が直る。

3幕

居酒屋でオックスの元にマリアンデルがやってくる。オックスは彼女を口説くが、いきなり床や窓から人の顔が出たり消えたりしている。さらに、大勢の子供を連れた女性がオックスのことを「子供の父親だ」と言い出す。かけつけた警察はむしろオックスの方を疑っている。マリアンデルは元の衣装に戻るとオクタヴィアンになってしまいオックスは怒ってしまう。ゾフィーやファニナルも登場して、オックスの振舞にあきれてしまう。マルシャリンが登場し、何ともないことだと警察に説明すると騒ぎは収まる。彼女はオックスに見苦しい振舞をしないで、ゾフィーから身を引くようにという。オックスはそれまでにかかった費用を請求されながら去って行く。オクタヴィアン、ゾフィー、元帥夫人の3人が残る。夫人はオクタヴィアンから身を引き、2人を祝福し、ファニナルに認めるように説得する、と言って去って行く。

 

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モーツァルトとワーグナーの影響を受けているリヒャルト・シュトラウスの作品です。題材は「フィガロの結婚」を参考にしていると言われています。元帥夫人マルシャリンは伯爵夫人ロジーナに似ているし、オクタヴィアンはメゾのズボン役で、女装する場面もあるというところでケルビーノを参考にしたと考えられています。

時代はマリア・テレジア時代のウィーンということになっています。作曲されたのは、ハプスブルクの末期です。どちらの時代も身分や家名にこだわる人は多かったでしょう。しかし、オックスは露骨に自分の家名を自慢し、ファニナル家は新興貴族だとバカにしています。自分がその新興貴族と結婚してあげるんだ、だから若い娘と結婚して多額の持参金をもらった上、浮気はしていてもいいんだ、という考え方なのです。もしかするとシュトラウスはオックスをただ嫌味なおじさんにしておきたかったのかも知れません。しかし、現代からみるとオックスはイヤな悪役というよりはマヌケな感じがします。自分の意志や努力で選んだのではないもの、あまり意味がないと思われるものに誇りを持つと持つほど、人間はマヌケに見えるものです。

気になるのは元帥夫人です。彼女は分別のあるイイ大人の女なのですが、時が経つのと同時に自分も老いて行くということを考えています。確かにその通りであります。しかし、年齢を重ねて、人生経験を積むほど魅力的になる女性もいるはずです。多くの有名ブランド品だって、ただ若くて可愛らしいだけの十代の女性よりはそのような女性に似合うように作られていると思うのですが。オクタヴィアンから身を引いた元帥夫人はどうなるのでしょうか?貞淑な妻に戻るのでしょうか?年相当の愛人を見つけるのでしょうか?それとも第二、第三のオクタヴィアンを送り出すのでしょうか?いずれにしても、年齢を重ねたことで身についた分別がある夫人だからこそ、老いても魅力的な女性でいて欲しいです。

元帥夫人はオクタヴィアンが若い女性と愛し合うのも予感していたのです。しかし、ゾフィーに嫉妬もしなければ、オクタヴィアンを責めることもしないのです。そこが大人の女性なのですけど、観客から見ると、そこが物足りないと思うか、じ〜んと着てしまうかどちらかに別れてしまうと思います。

それと、オクタヴィアンとゾフィーはこれからどうなるのでしょうか?ゾフィーはあまり目立つ役ではありませんが、利発で可愛らしいところもあります。「フィガロの結婚」のスザンナと少し似ているところもあるような気がします。ゾフィーはオクタヴィアンの元帥夫人との過去が全く気にならないということはないでしょう。夫人の対応が立派だっただけに、自分に太刀打ちできるのだろうか?という不安もあるかもしれません。そして、ゾフィーもいつか元帥夫人のような年齢になり、時の流れというものが理解できるようになるのでしょう。

 

 

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