Rusalka
(ドヴォルザーク作曲)
あらすじ
1幕
月が湖畔に映っているのを、水の妖精たちが喜んで踊っている。彼女達の父親的立場である水の精の男はそれをうれしそうに見ている。しかし、一人だけ憂いにふけっている水の妖精ルサルカがいた。ルサルカは水の精の男に人間の王子に恋してしまったことを相談する。水の精の男は魔女にたのめば人間にはしてもらえるのだが…と心配して水底へ帰って行く。 ルサルカは魔女を呼び、人間の王子に恋したので自分も人間にして欲しいと頼むと、魔女は人間になったら、声を失い、その上、王子と結ばれなければ、自分も王子も破滅することを教えるが、人間になりたい一心でルサルカは承知する。 魔法で可憐な人間の娘にしてもらったルサルカを見た王子はたちまち彼女に一目ぼれしてしまう。水の精の男や仲間の妖精達の心配する声が聞こえるが、ルサルカは王子と一緒に城ヘ行く。
2幕
王子とルサルカとの結婚の準備が行われている。しかし、城の使用人たちは、不可解で人間らしさがなく言葉を話すことができない彼女に対して王子の心が冷めてきていることも噂している。ルサルカは王子が外国の王女に心変わりしているところを見せ付けられてしまい悲しんでいる。水の精の男が庭の池から出てきて、ルサルカに同情する。王子は王女に愛を告白し、王女もそれに応じる。ルサルカは話せないので何もできない。水の精の男は王子に呪いをかけ、ルサルカを連れて行く。王子は王女に助けを求めるが、彼女は高慢で冷たく拒絶する。
3幕
自分も王子も破滅する運命を知ったルサルカは、魔女に相談する。魔女はもしも王子を殺したら元の水の妖精として楽しく過ごせるようになるだろう、と言うが、ルサルカはむしろ自分一人で苦しむ方が良い、と思う。 呪いで心身共にまいってしまっている王子はルサルカを呼び求める。ルサルカを見つけた王子は彼女に抱擁と接吻を求める。ルサルカはそれが死をもたらすものであることを告げるが、王子はそれでも構わないといい、ルサルカの腕の中で接吻を受けて幸せに死ぬ。水の精の男のルサルカに同情する声が聞こえてくる。
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子供の頃、「人魚姫」を読んで、人魚姫だけの犠牲で終わってしまうそのストーリーに苛立ちを感じた方はいないでしょうか?このオペラは「人魚姫」も参考にされて作られたそうです。「人魚姫」では外国の王女は登場しますが、どんな性格なのかはわかりません。それに対して、このオペラの外国の王女はプライドが高く、冷淡な性格です。王子に対しては元々愛情を抱いていたのではなくて、プライドを満足させるものに過ぎなかったのです。王子は人間になった人魚姫に対して恋心を抱いたり、それが冷めてしまったりするのではなくて、妹のように扱い、最初から最後まで恋愛感情を持ってはくれなかったのです。しかし、「ルサルカ」では、王子は人間になった水の精を見て一目ぼれし、すぐに結婚の準備をします。それにしても、この王子って、配慮が足りなさ過ぎますよね。婚約中でも新婚でも、愛情が冷めて、他の異性に心をうつしてしまうようなことは別に珍しくもなんともないかも知れません。しかし、結婚式の準備をしている最中に、自分の花嫁の目の前で、他の女性を口説くものでしょうか?しかも、相手は女官でも小間使いでもなくて、れきっとした王女なのです。どこかの王室のスキャンダルどころではありません。ま、童話ですから、仕方がないのですが…… しかし、「人魚姫」によく似た童話のようでいて、子供向きとは言えないような気もします。むしろ大人向きの童話というべきでしょうか?王子は最後には自分の命と引き換えに、ルサルカの抱擁と接吻を求めます。そして、彼は自分が幸せであることを自覚して死ぬのです。ルサルカはどのような気持ちで愛する人に死を与える接吻を与えたのでしょうか? ルサルカが1幕で歌う「白銀の月」というアリアが有名です。自分の心が人間である王子に伝わるようにと月に託す歌で、とても幻想的な美しさが感じられます。また、水の精たちの三重唱や踊りも透明感があり、美しいです。