故宮グッズを買う その参 (溥儀の甥の書)

2004年2月(アップしたのは6月15日 その後9月2日更新) 
 2001年頃、北京を旅行された方からいただいたメールの中に「故宮で、溥儀の甥が書いた書を売っていたので買って来ました」と、ありました。その後も、何回も同様のお話を耳にしております。溥儀の甥が大変に著名な書家で、その作品を故宮で売っている、お値段の方も結構高いって事らしいです。
 それで、「本当に溥儀の甥なのか?」「本当に有名な書家なのか?」という疑問を持たれた方々からご質問をいただくようになりました。

 「溥儀の甥にあたる」という方は実際にいらっしゃると思います。溥儀の異母弟の溥任さんという方に息子がいれば甥ですし、妹さんに息子がいればこちらも甥(この場合、甥は愛新覚羅の姓ではない可能性高し)ですし、溥儀の弟、溥傑の自伝にも「甥」が出てきますし、いとこの息子も中国では甥と呼ぶ範囲に入るようですし。ただ、故宮で書を書いている方がそうなのかどうかは私では分りかねますので、ご質問には「親族の中には書家がいらっしゃるんではないでしょうか」なんて感じで、苦しいお返事をしておりました。
 
 最近、北京の紀行文を載せていらっしゃる色々なサイトを見せていただくと、「故宮で溥儀の甥に会った」というお話が出てきます。「溥儀の甥」をキーワードにして検索しただけでも数十件ヒットします。
 読ませていただいた内容を参考に、話を整理しますと、
 故宮へ観光に行った時、神武門(北門)近くの喫茶兼売店になっている場所(団体のツアーですと立ち寄りそうな場所)で休憩する事になった。そこで、日本語の出来る店員さんが初老の男性を紹介。「こちらの方は“ラストエンペラー溥儀”の甥で、中国でも三本の指に入る大変に有名な書家です。年に(週に?)1、2回ボランティアとして故宮に来て書を書いてくれています。今日ここで、この方と出会えたあなたは幸運です。売上は故宮修復の費用となります。支払いはカードでも大丈夫」なんて事を話して実演販売をしている。
と、いった感じの事になります。
 その書家の方を撮影したお写真をアップされているサイトもありますので、見せていただきましたが、サイトによって写っている人物が違う場合があります。「溥儀の甥」と称されている方は何人も(写真を見た所では4人か5人)いらっしゃる模様です。名前も愛新覚羅方覚、寿石、金隆、南珂、毓鶴と複数出てきます。

 「溥儀の甥にして中国でも三本の指に入るすごい書家」が4人も5人もいるのでは、三本の指じゃ足りない・・・いやあ、「溥儀の甥は揃って著名な書家である」と考えれば、奥が深〜〜いのかもしれませんが。

 親族の中に書家がいらして、その方を(その方々をまとめて)甥と称しているのかもしれません。あるいは、「愛新覚羅流」とでも呼べるような書道の流派があってそれを習った書家の方々かな(これだったら、日本人の感覚では甥とは呼びがたいですね)とも思いますし、う〜ん、何やら「ラストエンペラー溥儀」と「愛新覚羅」の名で商売をしてる可能性も臭うような・・・。 

 で、ですね、私は、この溥儀の甥の書やら掛け軸は、結局、故宮グッズなんだと思います。故宮観光の良い記念になればそれでOK。ただ、なかなか高価な様ですので、売り場の雰囲気に飲まれてしまわない様に充分にご注意下さい。

 私は個人で故宮に行くせいか、これまで「溥儀の甥」にお会いした経験はありません。一度だけ「溥儀の甥の作品を展示してるから見ませんか」と、九龍壁の近くで客引きされた事はあるのですが。遭遇したら、ご報告したいと思っています。

遭遇ならず、でも、ひょっとしたら、ここか!?
 2004年の夏の終り、私は故宮に参りました。故宮を歩き回っても、「溥儀の甥」が書の実演販売をしている場所は見つかりません。神武門の近くに左右に細長くてドアがいくつもある平屋立ての建物があり、前からここではないのかな〜と思っていたのですが、飲み物を売る売店と本屋と土産物屋が営業してる様子なれど、他のドアは閉まっていて部屋にはカーテンが引かれていました。
 ここも違うみたいだねと、あきらめ始めた時、添乗員さんとツアーのお客さんと思える日本人とすれ違いました。この先のトイレに行くのだろうかと見ていたら、例の建物のドアの中へと消えて行きました。売店でも土産物屋でもなく、カーテンの引かれた中の見えない部屋のドアでした。また、気づけば、そのドアの外にはトランシーバーを手にした係員が2人立っています。
 興味がわいたので、近くにあるベンチに腰を下ろして様子を見てみました。人が出入りする時にドアが開き部屋の中が少し見えたら、中には掛け軸が掛かっていて、とても明るい照明で、拍手の音が聞こえました。
 という事で、多分、溥儀の甥の書の実演販売は、ここでやってるのでは!!と思った次第です。本当にそうであるのなら、日本人のツアー客だけを相手にして、秘密の部屋でコソコソやってる雰囲気でした。故宮修復の費用のためなら、故宮の見学者全員を相手にすれば良いのではないでしょうか。それをしていない様なのですから、私は、「ラストエンペラー溥儀」の名で良心的とは言いにくい商売をしてるみたいだな、って気がしました。

 実演販売の場所は、神武門近くだけでなく、外朝を抜けて東へ行った(スターバックスコーヒーや九龍壁の方向)辺りにもあるという情報もいだだいております。



故宮が好き はここまで


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